忍者ブログ
KOCネバーランド大陸に滞在するジョゼフ・F・ブラックマンの非公認徒然ブログです。お手数ですがKOCをご存じない方はつまらないだけかと思いますので、お帰り下さい。
[12] [11] [10] [9] [8] [4] [7] [6] [5] [3] [1]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「‥‥?」
一応の自宅であるテントの前で、ジョゼフは首を傾げざるを得ない状況に陥った。
空気が、違うことに気が付いたのだ。
何かがやって来た痕跡。
否、この世界の者がここを立ち寄った痕跡ではない。
それとは違う、“自分たち”に近い、異質な気配。
スーツの裏からクナイを一本取り出し、邪眼でテントの状況を解析する。
誰も、居ない‥‥?
僅かに緊張の糸を緩め、意を決してテントの中に入れば、そこには一つのダンボールが。
“向こう”──ジョゼフがかつていた国の言葉で『コワレモノ注意』『反転注意』だと書かれたシールが貼られている。
「これって‥‥。」

その段ボール箱を凝視して、ようやく理解した。
箱に刻まれた“符術回路”に、見覚えがある。
このテントまで転移で運ばれたのだ。
箱には一枚、伝票とおぼしき紙が張られている。
そのサインを見てジョゼフは目を見開いた。

相棒の名前だ。
あまりに綺麗な走り書きなので、一瞬誰の名前か分からなかったが。
彼のことだ。
何か役に立つものでも送ってきてくれたのだろう。
すぐにナイフで箱の糊付けを切り、中を開ける。
中には水晶玉と、いかにも高そうな紅茶のリーフが入った缶。
それと何かが入った小さな紙袋。
流石のジョゼフも思わず眉を顰める。
何が入っているのか、その紙袋を開けて確認しようとしたその瞬間。

ゴッ、と鈍い音を立てて、後頭部に何かがぶつかったのだ。
「ってぇ‥‥。」
何か、相当硬いものが頭に当たった。
自分だから良かったものの、普通の人間ならばひとたまりも無いはずだ。
涙を僅かに浮かべながら、後ろを振り向く。
何が頭に当たったのか。
それが何の仕業なのか。
大体、予測は付いていた。
「お前!僕を殺す気か!!」
振り向いた視線の先。
先ほどまでテントの床を転がっていたはずのそれ――水晶玉が浮いているのをキッと睨みつけ。
ジョゼフは珍しく声を荒らげて叫んでいた。
こんな真似をする――否、出来るのは彼が知る限り、たった一人だけ。

彼にこの荷物を送りつけた人物――そう。
彼の“相棒”だ。
水晶玉――否、相棒は、水晶玉越しに聞こえたジョゼフの声に小さくため息をついた。


‥‥つづく。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[07/17 双影]
[06/21 ジョゼフ]
[06/14 ルーナエ]
[06/11 ジョゼフ]
[06/10 オフィ]
最新TB
プロフィール
HN:
ジョゼフ・F・ブラックマン
HP:
性別:
男性
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
忍者ブログ [PR]